2013.03.27/
14:48(Wed)
この作品は、内容は少し変えられていますが「Кэт-Щелкунчик」という
英国の物語をベースに作られたロシアのアニメーションです。
またまた内容の説明も見当たらずロシア語の作品という事なので、今回も私流の
解釈でなんだかんだと書かせて頂いています。
ストーリー
どこかの国の二人のお姫様のお話です。
王の娘アンと女王の娘ケイトは、本当の姉妹の様に互いを愛しています。
快活なお姫様ケイトと控えめで美しいお姫様アンはいつも比べられがち。
森に住む魔女は二人を騙し、アンの顔をヤギに変えてしまいます。
二人のお姫様はアンが再び美しさを取り戻せるようにと名医を探しに長い
間歩きます。辿り着いたお城の王子がアンが夢見る王子であった事に二人の
お姫様は驚きます。
ケイトは、魔法をかけられ病気になり、夜な夜な魔女のところへ行く王子を助け
出そうと魔女達の夜宴に紛れ込みます。
そして・・・。
すっかり魔女のせいで暗く沈んでしまった王子のお城で、二人のお姫様は泊めてもらう
ことになります。
やがて12時になると病で臥せっていた王子が起き上がり、馬に乗って森の中を駆けて
行きます。
元の物語の中では、今までも何人もの者が一晩中王子の傍にいて見張っていたが、みんな
姿を消して二度と戻らなかった・・・とあります。
でも、こちらの中でそういった説明があるのかどうかは解りません。
そしてもう一つ、元の物語の中では“銀の棒”がアンを元の姿に戻し“特別な鳥を食する”
と王子が元気になり・・・というくだりがあるのですが、この作品では魔女が大切にして
いる果実にどうやらこれらの秘密があるようです。
お話の詳細はこんな感じであまりよく解らないのですが
、
私がこの作品を取り上げたのは、そのユニークで美しい映像(アニメーション)にとても
惹かれたからなんです。
作品の全体的な雰囲気は、聖書の物語や風景などを鮮やかな糸で織り出したタペストリー
(つづれ織り)を思わせるような作風で、ユニークさの中に気高さも漂わせる素敵な映像に
なっています。
時々現れる子供達のかわいい手が、物語りの進行や主人公達を手助けするアイディアは
とてもほのぼのと温かみがあっていいですね。見ている子供達も物語に参加しているような
イメージになるのではないでしょうか。
いつも思うのですが、この様なロシアのアニメーションには
“子供達へのあふれる愛と
細やかな心配り”がとても強く感じられます。
以前、宮崎駿さんが『子供達に贈る作品は特に作り手が精神的に大人でないといけない』と
言ってたような記憶があります。ロシアのこういった作品を見ると、宮崎さんが何にこだわって
作品を作っているのかが分かるような気がします。